そばは秋に収穫されます。
寒晒しそばは、この秋に収穫した「殻付きのそばの実」を使います。
この、殻付きのそばの実を「玄そば」(げんそば)といいいます。
「玄」は黒い色を意味する言葉ですね。
寒晒しそばは、この玄そばを、冬の寒い時期に冷たい水につけ、寒風にさらして乾燥させて作ります。
こうすることで、灰汁や渋みがなくなり、甘味が増すのだそう。
なぜそのような現象が起きるのか?
そばの実を寒さにさらすことによって、そばの実は凍ってしまわないように防御本能が働きます。その際に、うまみ成分のGABAが増加して甘味が増すのだそうです。
(参考記事:氷点下でじっくり甘みを育んだ日光寒ざらし蕎麦)
でも、昔のひとはどうやってこの手法を編み出したのでしょうか?
下記の記事が参考になるかもしれません。
それは「偶然できてしまった」というもの。
新潟・妙高で、ある年のそばの収穫期に、予想より早く雪が降ってしまい、刈り入れ前のそばが雪の下に埋まってしまったのだそうです。
それで偶然、寒晒しそばができてしまったらしいのですが、筆者はそんな経緯から、このように述べています。
たまたま冷たい雪融け水に、10日以上浸されたソバ。これは言ってみれば、偶然、寒ざらし蕎麦が、できてしまったということになる。昔の人が、寒さにさらすとソバが変化することに気づいたのは、あるいはこうした偶然の出来事がきっかけだったのかもしれない。
引用元:ソバの刈り入れの時期に早い降雪があり自然が偶然作り出した寒ざらし蕎麦
なるほど。奥深いですね。
さて、その寒晒しそば、いつ・どこで食べられるのでしょうか?
日光が有名ですが、いくつか食べられる場所はあるようです。
日光の寒晒しそばが食べられる時期・場所
2020年は3月8日が「献上 日光例幣使そば街道 寒晒し蕎麦の解禁日」とのことです。
しかし、今年は新型コロナウイルス感染の関係で、4月に延期することになっています。
日光例幣使そば街道「第2回寒晒し蕎麦フェア」は4月29日から5月まで開催されます。
参加店舗は下記リンクからご確認ください。
長野の寒晒しそばが食べられる時期・場所は?
なかなか情報がなかったのですが、こんな情報がありました。
1年に10日しか食べられない「寒晒しそば」。将軍家にも献上された幻のそばを求め八ヶ岳西麓へ
ただ、記事の更新日が2017年6月なので、いまはどうなのかはお店に確認する必要があると思います。
八ヶ岳西麓に伝わる幻のそば、「 献上寒晒しそば 」というものがあるとのこと。
食べられるのは長野県茅野市の限られた店で、時期は7月の10日間ほど。
そして、もうひとつ。
「信州八ヶ岳そばまつり」というものを発見。
こちらは、令和元年11月9日に開催しているようなので、今年も同時期に開催されるものと思われます。
参照ページ:信州八ヶ岳新そばまつり
山形の寒晒しそばが食べられる時期・場所は?
山形の寒晒しそばが食べられる時期は4月中旬から5月末ころまでです。
⇒「山めん寒ざらしそば」のページ
山形にはそば街道なるものが存在しているらしいです。
ただ、ここで寒晒しそばが食べられるかどうかは、各店舗への問合せが必要になると思います。
やまがたでは、県内どこでも美味しいそばが食べられますが、特にそば店が集中している地域を「そば街道」と呼んでいます。
会津の寒晒しそばが食べられる時期・場所は?
福島県会津盆地の北部、喜多方市で寒晒しそばを食べられるようです。
喜多方市といえば「ラーメン」の印象がありますが、「山都そば」が県外ファンにも人気。
冬には寒晒しそば作りに使われる「玄そば」を作っていて、毎年3月にイベントが開催されています。
⇒会津山都寒晒しそばまつり
ところが、、、
今年は下記のイベントは中止とのこと。
残念です・・
寒晒しそばを通信販売で買えないのか
おそばは乾麺などでも販売しているので、いつでも買えそう。
しかし、できれば今年仕込んだ玄そばを使った寒晒しそばを味わってみたいですよね。
でも、今年は、新型コロナウイルスの関係で、イベントが軒並み延期や中止。
なかなか電車に乗って遠出というのも厳しそう。
そこで、通販はないかと探してみました。
「日光東照宮献上 寒晒し蕎麦番組お試しセット」~「青空レストラン」公式ページから
1.日光寒晒し蕎麦(400g(めん260g+つゆ×2))×1
(賞味期限:製造より8日間)
2.ちたけ汁 (230g)×2
(賞味期限:製造より10カ月)
3.そばがき用そば粉(300g)×1
(賞味期限:製造より8カ月)
【価格】¥2,400
【送料】¥1,204+消費税
番組で紹介されていた、「ちたけ汁」やそばがき用のそば粉もついているんですねー!
「ちたけ」というのはきのこです。
「乳茸」とも書きます。
その名の通り、割くと牛乳のような白い液がでてきます。
栃木県の郷土料理「ちたけそば」にも使われています。
私も以前、新潟の津南町での山菜ツアーでいただいたことがあります。
よい出汁がでるので、とても高価なのだと聞きました。
そんな「ちたけ汁」のついたセット。お得です。
まあ送料込みだと4000円近くいくので、ちょっと躊躇します。
現地へ行ってたべる分の交通費で、お宅でいただくという考え方はありかなと思います。
信州戸隠の「寒晒しそば」(楽天市場)
あ、戸隠にもあるんですね。
青空レストラン公式のお取り寄せより、こちらのほうが麺の量は多いです。
「日光東照宮」「ちたけ汁」「そば粉」にこだわらなければ、こちらもありかも。
価格:5,562円 |
【セット内容】
1.寒ざらし石臼挽き生そば150g×4パック
2.そばつゆ240g×2本
3.生芋わさび×1本
4.七味唐辛子7g×1個
5.きざみのり10g×1個
6.おろし器
【賞味期限】
(石臼挽き生そば) 発送日含め6日
(そばつゆ、七味唐辛子、きざみのり)14日
寒晒しそばとは?いつ・どこで食べられる? おわりに
あとは、大分などにもありそうです。
また追記します。
そばは高血圧の人にもおススメ食材ですしね。
おいしく旅をしながら楽しみたいものです。