妊娠を左右する遺伝子発見 男女どちらの不妊症治療にも期待

妊娠を左右する遺伝子発見 科学

妊娠を左右する遺伝子が発見されたことが話題になっています。

発見された遺伝子は、卵子や精子の形成を促す「MEIOSIN(マイオーシン)」。

熊本大発生医学研究所の石黒啓一郎准教授と京都大などの研究グループが、米東部時間の6日、米科学誌に発表しました。

マウスによる実験では、 妊娠を左右する遺伝子 「マイオーシン」の働きを阻害すると、卵子や精子が形成されずに不妊になるとのこと。

妊娠を左右する遺伝子 「マイオーシン」 は卵子にも精子にも効果を発揮します。

ということは、これが実用化すれば、男性・女性問わず不妊症で悩むかたの治療が可能になります。

もしこれがヒトにも活用できるなら、不妊治療などの生殖医療に大きく貢献することが期待されています。

その内容をみてみましょう。


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妊娠左右の遺伝子発見 卵子や精子形成のメカニズムとマイオーシン

石黒啓一郎准教授によると、このように説明されています。

石黒氏によると、生物の全身の組織や器官では「体細胞分裂」と呼ばれる細胞分裂で細胞が増殖している。一方、卵巣や精巣でも体細胞分裂は行われているが、一時期を境に染色体の数が半減する「減数分裂」という特殊な細胞分裂に切り替わり、卵子や精子が形成される。
近年、減数分裂の異常による卵子・精子の形成不全と不妊の関係が指摘されているが、詳しいメカニズムは不明だった。

 石黒氏のグループは、減数分裂の仕組みを解明しようと、マウスの卵巣と精巣内のタンパク質を解析。減数分裂が始まる直前だけ活性化する遺伝子を特定し、マイオーシンと命名した。
 

西日本新聞記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200207-00010000-nishinpc-sctch

マイオーシンは、精子、卵子の形成に必須の遺伝子で、ヒトの遺伝子にも存在するそう。
そして、マイオーシンを活性化させることもできるんだそうです!

さらに、動物がビタミンAを代謝する際に作られる化合物「レチノイン酸」を投与すると、マイオーシンが活性化し、人為的に減数分裂を誘発することができることも発見した。

西日本新聞記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200207-00010000-nishinpc-sctch

人間の不妊症は、卵子や精子だけが原因ではないですが、生殖医療にひとつ光が差しましたね。


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妊娠左右の遺伝子発見にネットの反応は?

不妊治療をしている方への朗報という素直に感謝する声と共に、懸念する意見も。

ざっとまとめると、こんな意見に分かれました。

・結果生まれた子供も同じようにマイオーシンが働かないのではないか?

・自然の摂理に反することへの疑問


・本来なら妊娠すべきでない精子、卵子によって異常妊娠にならないのか?


Yahoo!ニュースのコメントをいくつかみてみましょう。

◆主人が無精子症で、夫婦2人で辛い思いをたくさんしてきました。
今後私たちのような辛い思いをするご夫婦が1組でも少なくなるよう、研究に期待しています。
実用にはまだ先でしょうが、今はありがとうの気持ちでいっぱいです。

◆研究が更に進んで、不妊治療に悩む人が少なくなりますように。

◆これはすごいですね。不妊治療薬のターゲットになりうると思います。もう少し研究を進めてマイオーシンの生成や代謝に関わる重要なポイントが解明されれば、低分子治療薬も夢ではない??

◆確かにこれが原因で不妊の人たちがいるだろう。ただ,これに対応できる治療法ができたとして,結果産まれた子供は不妊と言うことはないのだろうか。つまり,不妊が遺伝してしまうことはないのか。もしそうだとするなら,子も親と同じ苦しみを味わうことになるかも知れない。

◆その遺伝子が無いって事は子供にも遺伝子が無い可能性があるんじゃないの?

◆不妊治療の技術が進んで救われる人もいるだろうけど、精子や卵子が作られない人はその人の子どもにもそれが遺伝している可能性もあるだろうから何とも言えない。

◆医学、生命科学の探求はそれなりに必要だけど、人間も自然のほんの一部だから、自然の摂理に反して、操作し過ぎるするのはどうかなと!

◆ただ単にマイオーシンの働きだけの問題なら良いけど、常にマイオーシンが機能する様にしたら、本来なら妊娠すべきでない精子又は卵子が活性化され異常妊娠にならないのか?
誰が保証するのでしょうか!


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妊娠を左右する遺伝子発見 まとめ

なかなかお子さんが授からない当事者にとっては、少しでも可能性があるならどんな方法でもチャレンジしたいという気持ちがあると思います。

その思いは切実です。たくさんのお金と時間を使い、喜びと落胆を何度も繰り返すうちに精神も疲弊していまいます。

そんな方々には、一筋の光が差し込んだようなニュースですね。

でも一方で、生命倫理的にどうなのか?という意見も。この批判は常につきまといます。

私たちは、これら遺伝子関連のニュースを通じて、生きるとは?生命とは?という問題を突き付けられているのかもしれません。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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